
お墓参りのやり方はこれでいいのかな?



行く時期や服装に決まりはあるの?
こんな疑問やお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では一般的なお参りの持ち物や作法、注意点を禅宗僧侶の資格を持つ私が解説します。
お墓参りは故人やご先祖さまの冥福を祈り、感謝の気持ちを伝えるためにするものです。
この記事を読んで実践することで、今後より充実したお墓参りができるでしょう。
お墓参りのやり方がわからない方や不安な方は、ぜひ参考にしてください。
お墓参りの目的は供養をすること


お墓参りの目的は亡くなった方の供養をすることです。
大切だった故人やご先祖さまのご冥福を祈りましょう。
お墓で故人やご先祖さまを偲ぶことで、人と人との繋がりを感じることができます。
お墓は遠い昔のご先祖さまから自分たちのいる現在、そして未来につながる心の拠り所です。
ご先祖さまからのつながりによって、今の自分が存在する。
お墓参りは今自分が生きていることへの感謝を伝えられる大切な機会なのです。
お墓参りで必要な持ち物


お墓参りをするときには、必要な持ち物があります。
すべて持っていくことが理想ですが、気持ちがこもっていれば揃っていなくても構いません。
ここでは一般的に必要な持ち物を紹介します。
線香を持っていく
お墓にお供えする線香を持っていきましょう。
仏教で故人は線香などの香りを食べるという考えがあり、これを「香食(こうじき)」とよびます。
また線香の香りによって、心身を清めることもできるので用意しましょう。
ロウソクを持っていく
お墓にロウソク立てがある場合はロウソクを持っていきましょう。
ロウソク立ては場所や地域によって、ないところもあります。
お参りに行くお墓にある場合は用意しましょう。
マッチやライターを持っていく
線香やロウソクをつけるために、マッチやライターを持っていきましょう。
屋外では風などで火が付きにくいことがあります。
風に強いターボライターや、風よけの付いたライターがおすすめです。
数珠を持っていく
数珠(じゅず)があれば持っていきましょう。
数珠を持って手を合わせることで煩悩が消滅し、仏様の功徳を得られるともいわれています。
花を持っていく
お墓に供える花を持っていきましょう。
花の種類は「仏花(ぶっか)」と呼ばれ、日持ちの良い菊が用いられることが一般的です。
故人の好きだった花を供えても構いません。
その場合はトゲがある花や匂いの強い花、花粉が多い花は避けましょう。
食べ物や飲み物などのお供え物を持っていく
お墓にお供えする食べ物や飲み物を持っていきましょう。
お供え物は故人の好物や季節の果物、お供え用に売っているお菓子などがよいでしょう。
食べ物や飲み物は墓石にそのまま置かず、半紙などの紙の上に置くことが一般的です。
お供え物と一緒に半紙も用意しましょう。
掃除用具を持っていく
お墓の掃除をするための掃除道具を持っていきましょう。
墓石の拭き掃除用に柔らかいタオルやスポンジ、バケツを使います。
草むしり用には軍手やゴミ袋が必要です。
また細かい部分の掃除に歯ブラシがあると便利です。
手荒れが気になる場合はゴム手袋も用意しましょう。
柄杓・手桶を用意する
柄杓(ひしゃく)・手桶(ておけ)を用意します。
寺院の墓地や霊園の場合は、大抵備えてあるので借りることができます。
お墓参りの作法と流れ


お墓参りに絶対的なやり方や作法はありません。
それぞれの心を込めたやり方でよいですが、基本的な作法や流れは知っておいたほうがよいでしょう。
ここでは一般的なお墓参りの作法と流れを順に紹介します。
寺院のご本尊にお参りをする
寺院にある墓地の場合は、その寺院のご本尊にお参りしましょう。
多くの場合ご本尊は本堂に安置されています。
お墓参りの前にご本尊に礼拝しましょう。
お墓の掃除をする
お参りの前にお墓の掃除をしましょう。
バケツに水を汲みお墓に向かいます。
お墓に着いたら、区画内の草抜きと枯れた花があれば回収をしましょう。
先ほど汲んだバケツの水を使って、墓石の掃除をします。
墓石の汚れをスポンジやタオルで落としましょう。
磨き終わったらきれいな布で水を拭き取ってください。
花や水、食べ物、飲み物などの供物を供える
手桶と柄杓を準備して、手桶に水を汲みます。
お墓に花と水、食べ物や飲み物を供えましょう。
花立てにきれいな水を入れて花を供えます。
水鉢がある場合は水を供えてください。
食べ物や飲み物を供えるときは、半紙を敷くとよいです。
お酒をかけてあげたい方もいらっしゃいますが、墓石にシミができることがあるのでやめておきましょう。
線香、ロウソクを供える
ロウソク立てがある場合はロウソクを立てて火をつけましょう。
線香に火をつけ、手で扇いで火を消します。
香炉の場合は立てて、線香皿の場合は横に寝かせて供えましょう。
故人やご先祖さまにお参りをする
お墓に眠る故人やご先祖さまにお参りをしましょう。
複数人で来ている場合、まずは全員で合掌してください。
その後は故人と縁の深い人から順に、1人ずつお参りをします。
合掌とともに一礼をして故人の冥福を祈り、感謝の気持ちなどを伝えるとよいでしょう。
後片付けをする
お参りのあとは後片付けをしましょう。
ロウソクがある場合は火を消します。
供えた食べ物や飲み物は持ち帰るようにしましょう。
お墓で借りた手桶や柄杓を返します。
掃除で草などのゴミがあるときは持って帰りましょう。
お墓参りで知っておくべき注意点とは?


お墓参りのやり方にこうしなければならないという絶対的な決まりはありませんが、気をつけた方がよいことがあります。
ここでは一般的に気をつけた方がよい注意点を紹介します。
服装は動きやすい格好で行きましょう
法要のときのお墓参りでは喪服などを着用しますが、普段のお墓参りに決まった服装はありません。
カジュアルな格好でも構いませんが、掃除などの作業をするので動きやすい格好がよいでしょう。
他の参拝者への配慮を考えると、過度な露出や派手な色は避けるほうが無難です。
お墓が砂利道であったり、階段が多かったりする場合はヒールやサンダルなどは避けましょう。
明るい時間帯にお参りしましょう
日の出ている明るい時間帯にお墓参りしましょう。
お墓の掃除や防犯面を考えて、明るいうちに行くのがよいです。
お盆などで道が混雑する時期は、特に早めに行くようにしましょう。
寺院の参拝時間や霊園の開園時間を確認して、余裕を持ってお参りすることが大切です。
お墓参りの時期に決まりはありません
お墓参りの時期は、一般的にお盆や春秋のお彼岸が多いですが明確な決まりはありません。
自分がお参りしたいと思ったタイミングでいくのがよいです。
進学や就職、結婚など人生の節目に報告や感謝を伝えるのもよいでしょう。
寺院や霊園ごとのルールを守る
寺院や霊園のルールをきちんと守りましょう。
寺院や霊園には火の元の管理やペットの同伴禁止など、ルールが定められているところもあります。
事前に確認をしてルールを守り、他のお墓やお参りの方の迷惑にならないように心がけましょう。
まとめ【故人を思い出したときにはお墓参りに行きましょう】
今回はお墓参りの作法について解説しました。
紹介した作法や注意点を参考にしていただけると、よりよいお墓参りをすることができるでしょう。
ルールを守ったうえで、あなたなりのお墓参りをしてください。
最近では樹木や花を植え埋葬する「樹木葬」や、海などに骨を撒く「海洋散骨」など、お墓のあり方も変わってきています。
一番大切なことは、故人を思い出し供養したいと思う気持ちです。
日々の生活の中で故人を思い出し、感謝や報告がしたいと思ったときにはぜひお墓参りに行きましょう。