
奈良観光に行くならどの寺を訪れるべき?



歴史ある美しい寺を巡りたいけど、どこが人気なの?
そんな疑問をお持ちではありませんか?
奈良には歴史と文化が息づく魅力的な寺が数多く存在しますが、数が多すぎてどこを選べばよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで本記事では奈良観光で絶対に訪れるべき歴史ある美しい寺を、以下の項目をもとに紹介します。
・寺院の建築の美しさ
・歴史的価値
・観光のしやすさ
・景観の魅力
歴史的価値の高い寺院から、写真映えする絶景スポットまで、初心者からリピーターまで楽しめる厳選スポットをまとめました。
これを読めば、奈良観光で外せない寺巡りのベストプランが見つかるでしょう。
奈良の寺巡りが人気の理由とは?


奈良は日本の歴史と仏教文化の中心地として長い歴史を誇ります。
多くの寺が国宝や世界遺産に指定されており、歴史的価値の高い建築や仏像、美しい庭園を楽しめる点が大きな魅力です。
また自然と調和した寺院が多いので、四季折々の風景を満喫できるでしょう。
壮大な歴史と圧倒的なスケールを誇る東大寺


東大寺の魅力は、その壮大な歴史と圧倒的なスケールにあります。
奈良時代に聖武天皇が国家の安寧を願って建立したもので、日本仏教の中心的な役割を担ってきました。
その象徴ともいえるのが大仏殿に鎮座する盧舎那仏で、世界最大級の青銅製仏像として知られています。
高さ約15メートルにも及ぶこの大仏は、その穏やかな表情と圧倒的な存在感で訪れる人々を魅了し続けています。
また、東大寺の見どころは大仏だけではありません。
大仏殿自体も世界最大級の木造建築であり、その堂々たる姿は圧巻です。
さらに南大門をくぐると目に入る仁王像は、鎌倉時代に仏師である運慶と快慶によって作られました。
高さ8メートルを超えるこの仁王像の力強い造形と緻密な彫刻は、まさに芸術の極みといえるでしょう。
東大寺の境内には、四季折々の美しさを楽しめるエリアも多くあります。
春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が色づき、冬には静寂に包まれるその風景は訪れるたびに違った趣を感じさせてくれるでしょう。
二月堂では毎年春に、修二会(お水取り)という井戸から観音さまにお供えする水(お香水)を汲み上げる儀式が行われます。
千年以上にわたり続くこの儀式は、奈良の春の風物詩となっています。
東大寺は多くの国宝や重要文化財を所蔵しており、境内を歩くだけでも歴史と文化の重みを感じられる奈良を代表する寺院として訪れる人々に深い感動を与えてくれます。
貴重な仏像彫刻の宝庫・興福寺


世界遺産でもある興福寺の魅力は、長い歴史と雅な雰囲気、貴重な仏教美術にあります。
興福寺の五重塔は日本で二番目に高い木造五重塔として知られ、東大寺や春日大社とともに奈良の景観を形作っているシンボルです。
五重塔は青空にも映えますし、夕暮れ時にはシルエットが美しく浮かび上がります。
どの時間に訪れても異なる表情を見せてくれるでしょう。
興福寺といえば国宝館に収められている阿修羅像(八部衆の一尊)がとくに有名です。
八部衆とは古代インド神話の神々が、釈迦の説法を聞いて仏法に帰依した守護神の一尊です。
戦う神のはずがどこか繊細で切なさを感じる表情をしており、多くの人を惹きつけてやみません。
また興福寺は国宝仏像の指定件数が日本一を誇り、千手観音菩薩像や金剛力士像など優れた仏像彫刻が数多く残されています。
訪れる際はその歴史的価値を存分に堪能してください。
奈良時代の壮麗さを感じる薬師寺


薬師寺の見どころの一つは東塔と西塔が並び立つ独特の伽藍(寺院の建物)配置です。
とくに東塔は奈良時代から現存する唯一の建物で、「凍れる音楽」と称されるほどの優美な姿をしています。
屋根が6つあり六重に見えますが内部は三層という独特の構造をもつことが特徴です。
一方で西塔は再建されたものですが東塔とは対照的に、鮮やかな青丹の色と金色の飾り金具に彩られて美しいコントラストをみせてくれます。
薬師寺のもう一つの見どころは、金堂に安置された薬師三尊像です。
真ん中の薬師如来は堂々とした風格を持ち、両脇の月光菩薩・日光菩薩とともに白鳳時代の仏像彫刻の最高傑作といわれています。
脇侍の菩薩像は体のラインがしなやかで流れるような衣の表現が特徴的で、静かさの中に生命力を感じさせる姿が印象的です。
また玄奘三蔵院伽藍には平山画伯が玄奘三蔵(三蔵法師)の旅した地を実際に訪れ、17年の旅を追体験して描かれた「大唐西域壁画」が展示されています。
製作期間は取材を含めると約20年に及び、スケッチだけで4000枚もの絵が描かれました。
薬師寺は仏教の教えとともに、白鳳文化の華やかさを今に伝える貴重な寺院です。
四季折々の風景が境内を彩り、春の桜や秋の紅葉が伽藍の美しさを一層引き立てます。
奈良を訪れる際には、ぜひその優美な姿と歴史の深さに触れてみたい場所です。
世界最古の木造建築・法隆寺


法隆寺の魅力は世界最古の木造建築群と、飛鳥時代の仏教文化を今に伝える貴重な仏像の数々です。
聖徳太子によって建立された初期の日本仏教を象徴する存在であり、長い時を超えてその姿を保ち続けています。
1993年には日本初の世界文化遺産に登録され、国内外から多くの人が訪れます。
法隆寺の見どころは、西院伽藍にある五重塔と金堂です。
五重塔は飛鳥時代に建てられ、内部には釈迦の生涯を描いた塑像群(そぞうぐん)が安置されています。
穏やかで素朴な姿からは、千年以上の歴史を経た重厚な存在感を感じられるでしょう。
金堂には聖徳太子の冥福を祈り造られたとされる釈迦三尊像があります。
釈迦三尊像は日本最古の仏像で、法隆寺の本尊(信仰の対象)です。
特別な機会にしか公開されないので、タイミングが合えば見ることができます。
また法隆寺の宝物館である大宝蔵院では、百済観音像をはじめとする数々の国宝が展示されています。
百済観音像は、長身でしなやかなシルエットと穏やかな表情が特徴的で、異国の影響を受けた優美な飛鳥仏として非常に人気です。
ほかにも玉虫厨子や天寿国繍帳など、法隆寺ならではの歴史的に貴重な工芸品が揃っています。
法隆寺の境内は広く、四季折々の風景が古い伽藍を美しく引き立てます。
とくに秋の紅葉や春の桜が彩る中で見る五重塔や夢殿は格別の趣があります。
日本仏教の原点ともいえるこの寺院を訪れることで、聖徳太子が目指した理想の世界に思いを馳せることができるでしょう。
四季折々の風景を楽しめる長谷寺


長谷寺の魅力は四季折々の美しい自然と優美な建築、そして信仰を集める観音信仰の中心としての歴史にあります。
山の斜面に広がる境内は「花の御寺」としても知られ、とくに春の桜や牡丹、秋の紅葉の美しさは格別です。
長谷寺の見どころの一つが、本堂へと続く登廊(のぼりろう)です。
長さ約200メートル399段の石段の階段を登りきると、見事な柱がある国宝の本堂が控えています。
本堂は懸造りという急な崖や山の斜面にへばりつくように建てられた寺院建築で、清水寺の舞台を思わせるような造りとなっています。
本堂から一望することができる四季折々に変わる山々の景色は、訪れる人々を魅了してやみません。
本堂の中にはご本尊である十一面観音菩薩像が安置されており、高さ約10メートルもの堂々たる姿は圧巻です。
優美な表情と流れるような衣の線が特徴的で、慈悲深い観音様の姿に多くの人が手を合わせます。
長谷寺は一年を通じて多くの行事が行われることでも有名です。
「観音万灯会」では境内が無数の灯明で照らされ、幻想的な雰囲気に包まれます。
また「修二会(しゅにえ)」という鬼追いの儀式で、僧侶たちが大きな松明を振りかざしながら境内を練り歩く光景はまさに圧巻です。
長谷寺の魅力は単なる観光地ではなく、信仰の場としての厳かな雰囲気が色濃く残る点にもあります。
参拝するたびに異なる風景と出会い、静かに手を合わせることで心が洗われるような感覚を味わうことができるでしょう。
四季折々の自然や歴史、人々の祈りが交差する長谷寺は何度訪れても新たな感動を与えてくれる場所です。
奈良観光で寺巡りを最大限楽しむためのポイント


奈良の寺巡りをより充実させるためのポイントをいくつかご紹介します。
効率よく巡るためのおすすめルート
奈良の寺院は広範囲に点在しているため、効率的に巡るにはルートを工夫することが大切です。
たとえば奈良公園周辺にある東大寺と興福寺を午前中に訪れ、その後に少し離れた薬師寺や法隆寺へ向かうプランがおすすめです。
また公共交通機関を利用する場合は、JRや近鉄の沿線に沿ったルートを計画すると移動がスムーズになります。
また「奈良バイクシェア」という市内のサイクルポートならどこでも自転車を借りられ、どこに返却してもよいシェアサイクルもあります。
ほかにも電車やバスでは行きづらい名所を巡るのに最適な「観光タクシー」などもあるので利用するのもよいでしょう。
拝観時間やアクセス情報のチェックする
奈良の寺院は早朝から拝観できるところもありますが、閉門時間が早めの場所も多いため事前に拝観時間を確認しておきましょう。
とくに法隆寺や薬師寺などは敷地が広いため、余裕を持ったスケジュールを立てるのがポイントです。
また混雑を避けるために、観光客が少ない朝の時間帯に訪れるのがよいでしょう。
観光と一緒に楽しめる奈良グルメ情報
奈良観光では、寺巡りとともに地元のグルメを楽しむのも魅力のひとつです。
奈良名物の「柿の葉寿司」は持ち運びもしやすく、移動中の軽食によいでしょう。
また「三輪そうめん」は、暑い時期にさっぱりと食べられる人気のグルメです。
奈良町エリアにはおしゃれなカフェも点在しています。
観光の合間にひと休みするのもおすすめです。
奈良の寺巡りは、計画をしっかり立てることでより快適に楽しむことができます。
歴史ある寺院を巡りながら奈良ならではの文化やグルメを存分に満喫してください。
まとめ【文化やグルメを合わせて巡ることで充実した旅になるでしょう】
今回は奈良観光で絶対に訪れるべき美しい寺を紹介しました。
奈良観光での寺巡りは、日本の歴史や文化に触れる貴重な体験となります。
今回の記事を参考にすれば、奈良の魅力を存分に堪能できることでしょう。
東大寺や興福寺の壮大な建築、法隆寺の世界最古の木造建築、奈良時代の美しさが感じられる薬師寺など、どの寺院もそれぞれに特色があり訪れる価値のある場所ばかりです。
また寺巡りを最大限楽しむためには効率的なルート選びや拝観時間のチェック も重要です。
奈良ならではの文化やグルメを合わせて巡ることで、より充実した旅になるでしょう。
奈良の寺院を巡る旅で、心癒されるひとときをお過ごしください。